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2024/12/13 UPDATE
昨年に続き、パシフィコ横浜にて11/27~11/28の2日間に渡り「木と暮らしの博覧会2024」を開催いたしました。国産材・木質化提案コーナーとしてGywood®、ObiRED®をメインとした様々なプロダクトを、協力会社様と共に展示・発表をさせて頂きました。1年を経てより多くのプロダクトが生まれ、新たな用途や可能性を見出すきっかけとなる博覧会となりました。
メインゲートに隣接した国産材・木質化提案コーナーは、来場者の五感に訴えかけるスギを用いた様々な仕組みを体感・通過した後に、そのまま無垢材の良さに触れて頂けるような工夫を凝らしました。
会場に入ると聴こえてくるヒーリング音を奏でるのは、長さ4000㎜・幅約900㎜のGywood®の板で制作された音響建材「木音」です。スピーカーの振動板として、無垢の木をそのまま使用してしまう画期的な音響装置であり、表層圧密されたGywood®と相性が良く、その音質と見た目のインパクトに圧倒されるものとなりました。
通路を挟んで反対側には、見た目にも新しく、流れる水の音とライトアップされたGywood®の板が印象的な滝が出現しました。水が流れる中央の板はなぐり加工を施しており、中板目 取りされた板の木目が特徴的な「杢目」へと変化します。この立体的な杢目が水に濡れ、深くなった木地色とライトの反射により、幻想的な雰囲気を醸し出します。
また、これら二つの装置の繋ぎ目となり、あたかも深い森の中にいるような感覚に導いてくれたのは、スギをベースにしたオリジナルブレンドの木のアロマでした。スギやヒノキなど、針葉樹の特性であるすっきりとした香りが特徴で、その香りの良さに足を止める方も多くいらっしゃいました。
メインゲートを抜けると、スギのチップで周囲を囲った立礼式の現代風茶室「密杢庵」が現れます。グループ会社である菊池建設が出掛けた、伝統工法に則った茶室には随所にGywood®・スーパーGywood®が使用されています。なぐり加工を行った床板は、足裏で触れた際のさらっとした感触、柔らかな凹凸が気持ちよく思わず手で撫でる方も見受けられました。壁面には凸凹Gywood®を意匠として用い、侘び寂びを表現しました。
五感を通じてGywood®に触れて頂いた後は、Gywood®の製造方法やラインナップをご覧頂きつつ、次なる展開に向けてあらゆる可能性を来場者の方々と模索するスペースを用意しました。Gywood®は日々あらゆる可能性を探っており、種類を増やしつつプロダクト毎に規格化を目指しています。木工関係者だけではなく、異業種や新たな試みを行おうとしている方々や企業、デザイナーなどあらゆる方にご覧頂き、Gywood®を素材として様々な手法でアレンジして頂きたいと思います。
更に進むと、これまでに誕生したGywood®の様々なプロダクトがお目見えします。家具・建具・内装・キッチン・オフィス用途や学校机など屋内使用の数々と、外装・外構での使用、トラックや自転車などの屋外では木材の使用が難しいとされたものも、この1年間で検証を重ね、よりご提案の幅が広がりました。
今年大きな一歩を踏み出したのは木製雑貨・小物類になります。これまでは家具以上の大きなプロダクトに向けて、表層圧密テクノロジーにより幅広・長尺・形状安定性など木材としての性能の良さや、供給の安定性などが注目されていましたが、更に高密度化した「スーパーGywood®」が誕生したことにより、切削や薄口加工など小物特有の加工にも対応することが可能となったためです。
板として使用する家具類とは異なり、切削することで形作る小物は材料内の密度差が大きすぎると加工が難しい、または傷が付きやすくなってしまうため、従来のGywood®では加工できるものが限定されがちでした。小さなプロダクトにスギが用いられにくかった市場を、スーパーGywood®なら変えることができるかもしれません。
最後にご紹介するのは伝統工芸士によって製作された仏壇になります。仏壇と言えば、格式の高いものほど使用される木材は貴重なものや高級材料が相場となっておりましたが、材料となる木材の調達状況も近年で悪化し、また仏壇のニーズも変化している中で、Gywood®を用いた場合どのような効果が得られるでしょうか。
完成した仏壇は現代風にすっきりとした佇まいであり、コンパクトで使いやすいものになっています。閉扉時は上から下まで1枚のGywood®の木目が繫がったままを意匠として取り入れており、木地色は圧密によって得られた落ち着いた色のため、和風になり過ぎずシックな仕上がりとなりました。日本古来の技術・素材で作られる伝統工芸品の材料として、日本のスギが使われるようになればと思います。
この度の博覧会は昨年にも増して数多くの出会いのある場となりました。
Gywood®はこれからも新たな可能性を探って日々研究を重ねて参ります。